医薬品・化学薬品・化粧品の開発する際、ヒトの代わりに、ウサギ、モルモット、サル等を用いた動物実験が多く実施されており、世界では毎年、推定1億1530万匹/年以上が犠牲になっています。近年、動物実験への規制や批判が強まり社会的環境が変化する中で、動物実験を代替する技術が求められています。また、たとえ動物実験を行ったとしても、ヒトと動物の種差が存在するため、ヒトに対する効果や毒性を評価・予測できない問題もあります。
一方、これまでの培養ヒト細胞を用いた評価では、組織間の相互作用や三次元構造ならではの特徴を評価できないといった問題点がありました。そこで、ナノ・マイクロ技術を用いてマイクロ流体デバイスを作製し、その中でヒト臓器の機能の再現を目指す研究が注目されています。生体模倣システム (Microphysiological systems 、MPS) と呼ばれるこの技術を用いることにより、従来の方法では測定できなかった生理機能の評価が可能となります。
創業者の横川は、ヒトiPS細胞から作製した腎臓組織から高機能な尿細管細胞を分取し、MPSに搭載することにより、従来の培養細胞では評価が難しかった薬物輸送を評価可能にしました。また、管腔構造を有する血管網の構築技術を活用し、希少がんの新規治療薬の評価、がん微小環境の再現、三次元組織との共培養にも取り組んできました。
上記技術シーズを元に、当社ではヒトへの外挿性の高いMPSや希少疾患を再現したMPSを開発します。それによって、動物実験の削減、前臨床試験から臨床試験における候補薬剤の脱落率低下、新薬開発におけるコスト削減、開発時間の短縮を実現し、創薬等のライフサイエンス分野に貢献することを目指します。
2023/7/12
株式会社フィジオスバイオテック設立
会社名:
株式会社フィジオスバイオテック (Physios Biotech, Inc.)
設立日:
2023年7月12日
資本金:
575万円
本社:
岩手県盛岡市北飯岡二丁目4番23号
役員:
代表取締役 三木 一郎
取締役 横川 隆司(京都大学大学院 工学研究科 教授)
監査役 高橋 宏利((株)アイカムス・ラボ 取締役)
顧問:
髙里 実(理化学研究所 チームリーダー)
小寺 秀俊(京都大学 名誉教授)